それはいつもどおりのお昼の様子で、机の上には五人分のお弁当が並んでいる。いつもどおり可愛らしい花形のにんじんとかが飾ってあるお弁当のカヤちゃん。昨日は親戚の集まりがあったからと、やたら華やかなおせちみたいなお弁当のタエちゃん、俺の弁当は今日はタエちゃんのすごい豪華な弁当込みらしい。俺の貧しい食糧事情を慮って(と言ったって貧しいのは金が無いからではなくてただ単に面倒くさいから、なのだが。)弁当はタエちゃんかカヤちゃんが毎日作ってきてくれるのである。ありがとう。それと割と質素な内容の同じお弁当が二つ。ライドウと雷堂のだ。 ライドウと雷堂というのは俺の生徒で、しかも二人とも双子か、というくらいに似ている。 「っていうかさぁ、二人って双子なの?」 それはわりと何気ないお昼時の風景で、その質問にはライドウが割合すらすらと答えてくれた。 「双子ではありませんよ。血はつながってないですし。」 「…えー、それでそんなに似てるの?珍しいねぇ。」 俺がタエちゃんのお弁当の煮物を突っつきながら言うと雷堂が苦い顔をするのが目に入った。雷堂は、なんとなく俺の、ライドウへの接近を嫌やがっているようにも時折思えた。そんな雷堂の様子が目に入らないかのようにライドウはなんでもないことのように話す。 「珍しいでしょう?昔は気味が悪いとか、いろいろ言われましたけどね。」 「へぇー…」 いつの間にやら、タエちゃんが憂鬱な顔をしていた。何かまずい話題だったのだろうか、と思うがカヤちゃんは笑顔のままで、さっきまでの会話にも特に変なことがあったとは思えない。どうしたんだろう、と思っていると雷堂が、だから我とこいつは双子ではないのだ、と言って、またもとの昼の雰囲気に戻った。 |